授業の目的

ビジネスモデルとは,ビジネスに参画する主体の諸関係を単純化した事業の設計図であり,商流,情流,金流を多視点から描くことで儲ける仕組みを表すものである.この授業では,UML という言語でビジネスをモデリングして儲ける仕組みを明示する手法と,ビジネスモデルを情報システムとして実現する設計手法について学ぶ.ビジネスモデルの一部または全部をデジタル化(デジタルトランスフォーメーション)することで大幅なコストダウンを狙うとともに,ビジネスの設計図を情報システムの設計書として明文化することで周囲の人を広く巻き込み, 社会を構成する個人や法人のために役立てられるようになる.

到達目標

  • ビジネスモデルを UML で記述して事業全体を俯瞰する
  • 事業の欠点や課題を洗い出して見直しをはかる
  • 儲ける仕組みを備えた情報システムを設計する

授業の概要

環境が激しく変化する中でも利益を出し続けている企業は,売上とコストの差を生じさせて儲けを生み出す仕組みを持っており,この仕組みをビジネスモデルと呼ぶ.

近年では,デジタルトランスフォーメーションと呼ばれるデジタル化に取り組み,事業の大半を情報システムで完結させることで,新たな顧客価値を追及するとともに大幅なコストダウンを実現する起業家や企業が台頭してきている.彼らはビジネスモデルを明らかにすることで,1) 事業全体を俯瞰して儲けの仕組みを分析する,2) 事業上の問題や課題を発見して見直しを検討する,3) データとデジタル技術を駆使して儲ける仕組みを改良する,ことに取り組んでいる.

この授業では,基本的なビジネスモデルを抑えたうえで,UML という柔軟な記述言語で多様なビジネスをモデリングする手法を学ぶ.UML で記述した内容を見直すとともに,情報システムの設計書として明文化する.設計書に沿ってクラウド上に情報システムを構築し,ビジネスモデルとの整合性を確認する.授業で学んだモデリングと設計の手法を駆使して,学生自身が新しいビジネスを考え,そのビジネスモデルの内容,情報システムの設計,誰にとってどのように役立つのかを報告する.